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映画遺産 [展覧会]

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『戦後フランス映画ポスターの世界』@フィルムセンターを先週見ました。
第1期が14日までなので見逃さないうちに。(第2期は2.17〜3.28)
こういうのは油断すると終わっちゃうからねえ。

戦後に出来た配給会社・新外映が日本に紹介した映画
ポスターやプレスシートが展示されてます。
知らない作品の方が多かったけど
当時の雰囲気を閉じこめたポスターを目の前にするのは楽しい。
写真より圧倒的に手描きが多いから、肖像画×商業ポスターのような印象も。
映画のポスターを見ている気分と
ロートレックやカッサンドルの作品を見ている気分が混ざった感じ。

2期はポスターが変わるけど(『太陽がいっぱい』やゴダール作品が登場)
プレスシートは2期もそのまま展示されるみたい。
『ぼくの伯父さん』のノベライズ本もあって
児童書みたいな装幀がかわいらしかった。

新外映に関してはあまり文献が残っていないそうで。
(自分はこの企画で初めて知りました。)
写真のカタログに載ってる、新外映に在籍していた秦早穂子さんの解説ページは
当時の背景や評判が書いてあって、時代を忍ばせて興味深いです。
『みどりの学園』は原題どおり『道草学校』の予定が
教育上よろしくない、と『青空教室』→『みどりの学園』になったとか。
今の時代から見ると、なんだか微笑ましいなあ。

『密告』のポスターは、「『イングロリアス・バスターズ』の中で映画館の
正面を飾っている」、というトリビアも。
(『イングロリアス〜』見てないからDVDが出たらチェックしてみようっと。)
こういう先人達がいるから、昔の映画やポスターが見られるんだなあ、
と今につながるありがたみを実感。

カタログの解説の文中に、新外映の社長・鈴木菘(たかし)の
プロフィールが書かれているんだけど、その箇所を読んだ時、
「うわー、映画みたい!」と思った。
(要約します)慶応卒業後、パリの大学へ経済を学びに留学→
下宿屋の娘と恋に→長男ができて結婚→経済より絵画に熱心になって
藤田嗣治のアトリエへ→卒業までに10年→妻子を捨てて日本へ→「時事新報」の
特派員としてヨーロッパへ→外務省に入る→社説「満州放棄論」を書いて
当局からにらまれ退社→社の機密をフランスに渡した疑いで逮捕→戦後、
帝国酸素の社長に→そして新外映の社長に
…この人生、マーティ・スコセッシあたりが監督したらメチャメチャハマりそうだよ!
濃い人間ドラマができるだろうなあ。


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1/2世紀前のアナログパワー [展覧会]

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先月見た『デザイナー誕生:1950年代日本のグラフィック』@印刷博物館
味とセンスとユーモアのある広告・デザインが盛りだくさんだった。
作り手のアイデアも頭が柔らかい感じで、企業も受け入れるゆとりがあったんだろうなあ。
明治チョコレートの広告(下の写真)見た年配のご夫婦が
「かわいいー」って言ってたけど、その気持ち分かる!
このTシャツあったら欲しいって!
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亀倉雄策、早川良雄、田中一光あたりの作品は見覚えのある率が高いけど、
他の人達の作品は初めて見るものがかなりあって新鮮&発見。
ポスターや広告以外にも雑誌の表紙やパッケージもいろいろあって
作業机を再現していたりと、タイムカプセル気分。
横尾忠則のサイケデリック前の作品も展示されてて
おおー、こういうスッキリ系商業デザインの時代もあったんだー、と思ったり。
アンディ・ウォーホルがファッション系のイラスト
描いてた時代があったのと似てるやね。

展示物を見ていて、今では当たり前なことが当時は斬新・先端だったんだなあと。
お酒の瓶にはそれまでラベルがなかったことや、製版技術が発達してなかったから
カラー写真を使うことは珍しかったなどなど。

丸善のブックカバーがこの時代(1952年)にデザインされたこともこの展覧会で知った。
基本は今も変わってないんだよねえ。
今復刻されてる岩波写真文庫もこの時代に出たものだし、
Canonのロゴだってほとんど変わってない、ご長寿デザイン。

50年代は、線引くのもロットリングじゃなくて烏口だったからまさにアナログ時代。
PCソフトのような技術はないけど、アイデアを表現として定着させようというパワーは強いんだよねえ。
で、ユーモアや軽妙さもあるという。

図録を買ったんだけど、あの情報量(代表作紹介、出品作写真付きリスト、年表、解説etc.)で
2,900円台とは安いわー。
(60年代のもあったから欲しかったけど値段が倍近くだったからまた後日。)
と言いつつ、かわいいデザインを見ちゃって、まだじっくり読んでないけど。
これ、夏休みの課題図書?

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ターナー賞だよ全員集合 [展覧会]

今月初めに『英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展』@森美術館を見ました。
歴代のグランプリ作品が勢揃いした展覧会。
このターナー賞って、毎年イギリスでテレビ中継されてるんだねえ。
イギリスでは誰もが知ってる国民的イベントなのかな。
アートの賞にテレビ局が付いてるところが、エンターテインメントしてるなあ。

ターナー賞と聞いて一番に思い浮かぶのが
ダミアン・ハーストのホルマリン漬けの牛。
牛の親子、それぞれ縦に切ったものを左右分けて水槽に入れてあって
目に入った瞬間「出たー、本物だー!」
でも近づいて見てるうちに、
「これどうやって運んだんだろう」
「ホルマリンは何年かごとに取り替えるのかなあ」と
ショッキングさより、メンテナンスが気になったなあ。

ギルバート&ジョージの絵は想像してたよりデカかった!(4m×11mくらい)
岡本太郎の『明日の神話』よりは小さいけど、あの仰ぎ見る感じを彷彿。

『ジギル博士とハイド氏』の映画のシーンを使った作品が気になって
作者のダグラス・ゴードンで検索したら、この人、『24時間サイコ』の作家だった。
映画の『サイコ』を24時間かけて上映するという作品の。
ジダンの映画の監督でもあったし、この人の映像感覚好きかも。
映像もので印象に残ったものに共通してたのは、
どれも、モノクロでフィルムを使ってたこと。
彼らは意図してないけど、今こうして揃うとデジタル・CGへの反動にも感じたり。

各作品の解説が簡潔で分かりやすかった。
コンセプチュアルアートって、一見???と思われそうなものも多いけど
考えオチというか、ひとり大喜利だと思うんで、そう気軽に見てました。

この人面白なあと思ったのは、グレイソン・ペリー。
彼の受賞作は、一見古代ギリシャっぽい美しい壺に、
幼児虐待や政治闘争などの問題をテーマにした絵を描いているという
そのギャップが鋭い作品。
でも特に最高だったのは、女装姿でニッコリしながら
"NO MORE ART"のプラカードを持っている写真。
アーティスト自ら"NO MORE ART"って言えちゃうセンスが英国的!
こういうオッサンの存在が一番アートかもね。

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